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日本郵政に関する質問主意書

- 提出者: 山内康一
- 提出日: 2009/10/29
- 回答日: 2009/11/06
平成二十一年十月二十九日提出
質問第一八号
日本郵政に関する質問主意書
提出者 山内康一
日本郵政に関する質問主意書
日本郵政の役員人事については、郵政民営化の方向性を判断する上で大変重要であり、多くの国民が注視しておりながら、十分な説明がなされているとは言い難く、国民と国会に対して十分な説明が求められると考える。
従って、次の事項について質問する。
一 日本郵政の社長に就任した齋藤次郎氏について
1 鳩山総理は、十月二十八日の代表質問で「十四年間も民間で働いていたのだから」との趣旨の答弁をしていたが、それならば、例えば、公務員を退職後、十年間かけて五つの天下りポストを歴任した公務員OBが、さらに次の天下りポストに渡るケースはどう考えるか。同様の論理によれば、「十年間も、かつ、五つもの民間団体で働いた経験があるのだから、公務員OBであることを問題にすべきではない」という結論になるはずだが、もし異なる結論とすれば、なぜか。
2 齋藤氏は十月二十八日の会見で、「天下りについては、私のイメージでは公務員として退職後、政府の補助金などを受けている団体を経て、たいした仕事をせず、それがけしからん、ということだと思う」と発言している。「たいした仕事をしない」のが天下りであって、しっかりと仕事をすれば天下りにはあたらない、という見解は、鳩山内閣の見解と一致するか。もし異なるとすれば、どう異なるのか。
二 日本郵政の副社長人事について
1 坂篤郎・元内閣官房副長官補について
① 一般職公務員として退職した後の経歴を示されたい。
② それぞれのポストについて、役所のあっせんはあったか。
③ 坂氏を副社長に内定したことは、「天下り、渡りのあっせん」にあたるか。あたらないとすれば、なぜか。
④ 坂氏の官房副長官補当時の仕事ぶりについて、どのように評価しているか。副長官補当時、天下り規制に反対する動きをとったことが報道されているが、それを認識した上で、今回の内定を行ったのか。
2 足立盛二郎・元郵政事業庁長官について
① 一般職公務員として退職した後の経歴を示されたい。
② それぞれのポストについて、役所のあっせんはあったか。
③ 足立氏を副社長に内定したことは、「天下り、渡りのあっせん」にあたるか。あたらないとすれば、なぜか。
3 高井俊成・元長銀常務について
高井氏のこれまでの日本郵政との関係については、政府として当然把握されていることと思われるが、日本郵政の副社長就任以前の履歴、および、日本郵政との関係について以下を示されたい。
① 高井経営研究所の事業内容を示されたい。
② 事務所の所在地、従業員数を示されたい。
③ 郵政ファミリー企業との取引実績の有無を示されたい(郵政ファミリー企業の定義は、郵政事業の関連法人の整理・見直しに関する委員会が検討対象とした二百十九法人)。
④ 高井氏の経歴(特に長銀時代の役職)を示されたい。
右質問する。
平成二十一年十一月六日受領
答弁第一八号
内閣衆質一七三第一八号
平成二十一年十一月六日
内閣総理大臣 鳩山由紀夫
衆議院議長 横路孝弘 殿
衆議院議員山内康一君提出日本郵政に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員山内康一君提出日本郵政に関する質問に対する答弁書
一の1について
公務員の再就職については、府省庁によるあっせんを直ちに禁止し、天下りのあっせんの根絶を図ることとしている。天下りとは、府省庁が退職後の職員を企業、団体等に再就職させることをいうが、公務員が、法令に違反することなく、府省庁によるあっせんを受けずに、再就職先の地位や職務内容等に照らし適材適所の再就職をすることは、天下りには該当しないことから、否定されるものではないと考えている。
一の2について
お尋ねの本年十月二十八日の記者会見における齋藤氏の発言については、政府としてコメントする立場にないが、一の1についてで述べたような再就職については、否定されるものではないと考えている。
二の1の①について
御指摘の坂氏の一般職の公務員として退職した後の経歴については、日本郵政株式会社から総務省に提出された認可申請書によれば、平成十七年八月から農林漁業金融公庫副総裁、平成十八年一月から内閣官房副長官補、平成二十年十月から社団法人日本損害保険協会副会長の職にあったとされている。
二の1の②について
坂氏の農林漁業金融公庫への再就職については、農林水産大臣及び財務大臣の認可に基づくものであり、その他の再就職については、あっせんは確認されていない。
二の1の③について
坂氏の日本郵政株式会社副社長への就任に際して、府省庁によるあっせんはなかった。
二の1の④について
坂氏の内閣官房副長官補当時の仕事振りについて現内閣としてコメントする立場にないが、坂氏は、日本郵政株式会社副社長として適任であると考えている。
二の2の①について
御指摘の足立氏の一般職の公務員として退職した後の経歴については、日本郵政株式会社から総務省に提出された認可申請書によれば、平成十四年二月から財団法人簡易保険加入者協会理事長、平成十六年六月から株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ代表取締役副社長、平成十九年六月からジェイサット株式会社顧問、平成二十年十月からスカパーJSAT株式会社顧問の職にあったとされている。
二の2の②について
足立氏の再就職に際しては、記録等では確認できないが、略歴の送付等があったと考えられる。
二の2の③について
足立氏の日本郵政株式会社副社長への就任に際して、府省庁によるあっせんはなかった。
二の3の①について
高井経営研究所の事業内容については、日本郵政株式会社から、経営戦略、資金調達、財務戦略、事業拡大戦略並びに企業の合併及び買収に関する戦略等についての経営コンサルタント業であると聞いている。
二の3の②について
高井経営研究所の所在地については埼玉県ふじみ野市元福岡三丁目四番三号、従業員数については二名であると、日本郵政株式会社から聞いている。
二の3の③について
御指摘の郵政ファミリー企業との取引実績の有無については、日本郵政株式会社から、取引実績はないと聞いている。
二の3の④について
御指摘の高井氏の経歴については、日本郵政株式会社から総務省に提出された認可申請書によれば、昭和四十四年七月に株式会社日本長期信用銀行に入行し、昭和六十三年九月から同行資金証券グループ参事役、平成三年二月から同行池袋支店長、平成五年四月から同行本店営業第五部長兼公共金融部長、平成七年六月から同行取締役福岡支店長、平成九年八月から同行取締役法人業務グループ統括部長兼法人業務部長、平成十年四月から同行取締役法人業務グループ統括部長兼法人業務部長兼常務執行役員を歴任した後、平成十年十月に同行を退職し、平成十二年六月に日本エコス株式会社副社長、平成十三年九月にバリュー・クリエーション株式会社社長にそれぞれ就任した後、平成十五年一月から高井経営研究所代表の職にあったとされている。
この質問主意書への鳩山内閣の回答の重要なポイントは、天下りのあっせんを事実上認めたことにあります。
足立盛二郎・元郵政事業庁長官の退職後のポストについて、「役所のあっせんはあったか」という質問に対する答えが以下です。
「足立氏の再就職に際しては、記録等では確認できないが、略歴の送付等があったと考えられる。」
役所が天下り先に対して再就職に関する情報提供を行うことは、天下りの「あっせん」にあたります。「略歴の送付」はまさに情報提供の典型例であり、役所のあっせんを鳩山内閣総理大臣の名前で公式に認めたことになります。
内閣官房副長官によれば「天下り」の定義は、「府省庁が退職後の職員を企業、団体等に再就職させることをいう。
したがって、公務員が、法令に違反することなく、府省庁によるあっせんを受けずに、再就職先の地位や職務内容等に照らして適材適所の再就職をすることは、天下りには該当しない」となっています。
足立氏の場合は「府省庁によるあっせん」を受けているので、内閣官房副長官の定義に従い、いわば「正式な天下り」と認定できそうです。

