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放射性物質による土壌汚染地域における国の責任による除染の実施等に関する質問主意書・答弁書
放射性物質による土壌汚染地域における国の責任による除染の実施等に関する質問主意書
本年八月二日の衆議院東日本大震災復興特別委員会において、細野原発事故の収束及び再発防止担当大臣は、平成二十三年原子力事故に起因する東京電力福島第一原子力発電所の周辺の放射性物質による土壌汚染地域の除染について、実施主体として誰が責任を持つのかとの問いに対し、「最大の責任は国にある事は明確にしなければならない。浪江町や双葉町や飯舘村では、町内会で除染をやってもらうような状況でない。国としてモデル事業を確立し、国が責任を持ってやる」「大規模な除染はあくまで国が主体としてやる」と答弁した。
これを踏まえて、以下、質問する。
一 「国の責任で除染を実施する」という事は、国のどの機関が実施主体となり、平成二十三年度第二次補正予算までに計上されたどの予算項目を使って、実施するのか。その点を明確にしないと大臣答弁もただの「口約束」になりかねず、自治体の不安を解消するため、「国の責任」の内実を具体的に示されたい。
二 既存の予算措置では国の責任で除染を行なうのに不十分であると見られ、今後、編成が予定されている平成二十三年度第三次補正予算に大規模な費用を計上する必要があると思うが見解如何。
三 「大規模な除染はあくまで国が主体としてやる」という時に、「大規模」であるかそうでないかというのは、どのような基準で判断するのか。汚染の濃度か、面積か、避難規模か、福島第一原発からの距離か、具体的に示されたい。
四 除染の方法について必ずしも確立した方法がない中で、周辺市町村や市民有志が専門家の知見を借りながら、除染活動にあたっているのが現実である。世界でも例を見ない大規模な放射線低減の取り組みが行なわれる事となり、その知見は原子力を利用する世界中の国々にとっても重要である事から、この際、世界中から民間企業や学術機関等の叡智を集め、「除染研究センター」を福島県に作るべきだと思うが見解如何。
五 「ここまで放射線低減が図れれば帰還できる」という目標が定まっていないと、除染のしようもない。具体的にどのレベルまで放射線(または土壌中の放射性物質含有量)が低減されれば、その土地に帰還しても良いと判断されるか。その根拠は何か。
六 除染活動の一環として表土除去等を行なう事になるが、それによって生じた放射線を帯びた土等は極めて大量になると思われる。どこでどのように処分するのか。また、建物や道路、建築物の高圧洗浄を行なった場合、流れた水は放射線を帯びる事になる訳だが、地下水や農業用水等への流入を避けるため、どのように管理するのか。
七 細野大臣は同日の委員会で「九月には警戒区域の除染を始めたい」との趣旨の答弁をしている。除染活動には一定の期間がかかる事が予想され、原子力事故の収束が仮に工程表通りに進んだとしても、菅総理大臣の言っているような「年明けには周辺住民の帰宅の判断ができる」状況にはならないのではないか。警戒区域内をはじめとする周辺住民の帰宅の目処について、現下の状況を踏まえ、新たな見通しを示すべきと考えるが、「年明けには周辺住民の帰宅の判断ができる」という見通しに変わりはないのか。
八 警戒区域、計画的避難区域内の土地は、現状、適切に管理する者がおらず、時間の経過とともに荒廃しつつある。農地に背丈ほどの雑草が生い茂り、秋に雑草が枯れると自然発火等で広範囲が焼ける事態も予想され、非常に危険である。避難中の警戒区域、計画的避難区域内の土地の管理は誰が主体となるべきものと考えるか。国または地方公共団体が適切な管理を所有者に代わって行なう法令上の規定は存在するか。
右質問する。
衆議院議員柿澤未途君提出放射性物質による土壌汚染地域における国の責任による除染の実施等に関する質問に対する答弁書
一について
お尋ねの点について、平成二十三年度第二次補正予算における措置として、内閣府においては、放射線量低減基準策定調査等委託費(約二億円)による除染に係るガイドラインの作成等及び放射線量低減対策特別緊急事業費補助金(約百八十億円)による福島県原子力被災者・子ども健康基金に対する公共施設や通学路等の線量低減等の事業経費の助成を、文部科学省においては、公立諸学校建物其他災害復旧費補助金等(約四十五億円)による学校の校庭における表土除去等の支援を、厚生労働省においては、社会福祉施設等災害復旧費補助金(約五億円)による児童福祉施設等の園庭における表土除去等の支援を、それぞれ行うこととしている。
また、政府としては、このような財政的支援だけでなく、除染に関する技術的支援を行うため、地域のニーズを踏まえた専門家の派遣等を検討している。
二について
お尋ねの点については、「東日本大震災からの復興の基本方針」(平成二十三年七月二十九日東日本大震災復興対策本部決定。以下「復興基本方針」という。)において、「国の責任において、除染に関する考え方や手法を早期に確立するとともに、地方公共団体の協力を得つつ、現場レベルでの実証や汚染土壌等の除染、下水汚泥等の適切な処理及び災害廃棄物の最終処分に必要な措置を講じる」としているところであり、政府としては、これに従って、平成二十三年度第三次補正予算等において必要な措置を講じてまいりたい。
三について
「避難区域等の見直しに関する考え方」(平成二十三年八月九日原子力災害対策本部決定)において、「八月中を目処に除染に関する基本方針を取りまとめ、関係者の連携の下、徹底的かつ継続的な除染を実施する」としているところであり、政府としては、これに従って検討を進めてまいりたい。
四について
お尋ねの点については、復興基本方針において、「放射性物質による大気・水・土壌・森林等の汚染を除去する必要があることから、環境修復技術の早期確立等を目指す。このため、大学、研究機関、民間企業等の協力の下、福島県に国内外の叡智を結集する開かれた研究拠点を形成する」としているところであり、政府としては、これに従って取り組んでまいりたい。
五について
原子力災害対策特別措置法(平成十一年法律第百五十六号)第二十条第五項に基づき、内閣府原子力安全委員会が平成二十三年八月四日に示した意見においては、避難、屋内退避等の緊急時等に実施すべき放射線防護のための措置である緊急防護措置の解除に当たっては、「当該区域において住民が受ける被ばく線量が、解除日以降年間二十ミリシーベルト以下となることが確実であり、年間一から二十ミリシーベルトの範囲で長期的には参考レベルとして年間一ミリシーベルトを目指して、合理的に達成可能な限り低減する努力がなされること」等の条件を満たすことが基本となると考えられるとされており、これを踏まえ、今後、原子力災害対策本部において、計画的避難区域等の見直しの考え方を取りまとめることとしている。
六について
お尋ねの点については、関係する地方自治体とも相談しつつ、政府としての対応を検討してまいりたい。
七について
現在、東京電力株式会社の福島第一原子力発電所の事故の収束に向け、同社とともに全力で取り組んでいるところであり、御指摘の「年明けには周辺住民の帰宅の判断ができる」との見通しについては、現時点において変わるところはない。
八について
お尋ねの「警戒区域、計画的避難区域内の土地の管理」の主体について法令上特段の定めはなく、また、土地の状況も様々であると考えられることから、一概にお答えすることは困難である。


